「……これで、よしと」
 蛇口から流れる水のままだと体温との差が激しすぎるから、適度に温めの水を張る。手をつけると少々物足りない気がするが、恐らく全身浸かれば丁度良いだろう。
 風呂場。
 別に湯を張るだけが風呂桶の役目じゃないと気付いたら、考えは早かった。
 俺は学校の水着を引っ張り出すと一足早くやって来て、温度を調整しながら水風呂の作成をしている。
 で、イリヤも初めて水着を着られることにワクワクしながら部屋に戻っていったので……
「シロウ〜、着替えてきたよ」
「おう、こっちもいい感じだ」
 と、背後から声が聞こえて振り返ると、嬉しそうに水着に着替えた張本人がやってきた。
「ううむ……」
「?」
 とそこで、俺は改めてイリヤの姿にこみ上げてくる物を感じていた。
「何というか……」
 きょとんとするイリヤの、ちっちゃな身体にとてもよく似合った、それでいてちょっとだけ冒険した水着。
 スクール水着。
 白。
 想像はしていたが、実際に着られるとパーフェクト、破壊力満点すぎてお釣りが大量に返ってくる。
「似合ってる、と言ったらイリヤに失礼なのか」
「ん〜、別にそうは思わないけど?」
 意図的に声に出して呟くも、イリヤはちっとも気にしていない様子。それどころか自分の格好を眺めつつ、ふふんと自慢げな表情にはむしろ自信の現れ。
「いかにもシロウが好みそうな格好でしょ?」
「間違いなく」
 そして次の言葉に見事に即答したバカひとり。
「じゃあ問題ないよね。わあ気持ちいい〜!」
 脳が腐った俺にウインクをすると、イリヤは一足早く湯船に浸かっていた。
「さて、俺も」
「うん、気持ちいいよ〜」
 パシャパシャと水を叩いて誘うイリヤの隣に、狭いながらも一緒に入る。ザバーッと溢れる水の涼やかな音に、肌に程良く染み入る冷たさ。イメージ通りの快適さに、今までかいていた汗が嘘のように引いた。
「おお、いいなあ……極楽極楽」
「シロウ、ジジ臭いわよ」
 そんなイリヤの言葉もちっとも気にならない程、まさに地獄に仏な水風呂だった。
 顔にバシャバシャと水をかけると、改めて落ち着いた気分になる。
「ふう……咄嗟のこととはいえ、よく思いついたもんだ……」
 改めてあの瞬間の自分に感動を覚えつつイリヤの方を見ると、こちらも満面の笑み。
「うん、やっぱりシロウは偉い」
 そうして頭をナデナデされると、イリヤはお姉さんでもないのに妙に嬉しく思うのは、やはり心が満たされたからだろうな、なんて思いつつ、
「よっ……」
 イリヤを後ろから抱くようにして脚を伸ばした。こうすれば二人隣り合うよりももっと快適にいられる。
「ふう……こうすると、シロウの体温も心地良いね」
「そっか、俺もイリヤの身体があったかくて気持ちいい」
「ふふふ……」
 お互いさっきまで暑さにうだっていたというのに、今度は一転して暖かさが快適だと言うのだからおかしい。
 おれはきゅっとイリヤを抱くと、その温もりをたっぷりと味わった。

 水は段々ぬるくなることを想定して、贅沢にも流し風呂。
 そんな中、後ろからイリヤを抱きしめた格好のまま、早二十分程。
 のぼせも湯冷めも時間も全く心配いらないから、俺達はただ何をするでもなく身体を伸ばしてのんびりしていた。
「ん〜、シロウ」
「ん?」
 で、やっている事と言えばバカップル大全開。
「胸とおへそ弄るの禁止」
「え〜?」
 水着の上からくにくにと押していたそれにダメ出しされて、まずは手を引っ込める。ポッチの凸とおへその凹のコントラストに一人神秘を感じていたのに、残念。
「それと、首筋弄るのもダメよ」
「え〜え〜?」
 そして、髪をアップにしたイリヤの後れ毛をさっきからずっと口に含んだり、首筋を舐めたり、時折耳朶に優しく歯を立ててみたりしていたのに、とっても残念。
 しかしまあ、つまりずっとそんなことをやっていたわけで、遠坂あたりに見られたら顔を真っ赤に染めた赤い悪魔に殺されかねないが、二人の間では無問題だった。

「それにしても……」
 と、そこで今までの俺の行動を総括してか、イリヤが一言。
「さっきからずっと元気ね」
「ああ」
 もちろん、イリヤの言う元気なのは俺の事だ。
 ただし主にその対象は下半身。
 ぴったりと密着したままのイリヤのお尻に俺のムスコが当たり始めてから、かれこれ十九分と言った所か。
 最初はその徴候にピクッと小さく反応したイリヤも、振り返った先で何事もないように平静を装う俺を面白がってか、無反応を装う悪戯っぷり。で、時折ぐりぐりと自らを誇示するようにお尻の割れ目に押しつけたり、軽く身体を持ち上げてイリヤの股の間で揺すってやったりしながらも、お互いその事には全く触れずにいたのだから、相当バカである。
「馬鹿正直よね、シロウって」
「む」
 俺のふやけた手を弄びながら、イリヤが笑う。と、イリヤはすっと身を翻して俺と向き合うと、
「でも、そんなシロウが大好き」
 そっと首筋に腕を絡め、優しくキスをしてくれた。
 ここからの展開はさっきと一緒である。
「ん……ちゅむ……シロウ」
 唇で互いを感じ、舌で快感を交歓しあう。
 ねっとりとキスを交わし、イリヤの唾液を啜る。
「だーめ、今度はわたしも」
 しかし、イリヤは今回は飲ませてくれるだけじゃ許してくれない。
「ん……」
 きゅっ、と舌が強く吸われ、イリヤの口内へ引き寄せられていく。ぱくりと食べられて、それからちゅうっ……と舌に絡んでいた唾液を取られた。
「ん、おいひい……」
 こくっと飲み込んで味を確かめると、再びキスの嵐。ぐっと首を引き寄せられるから、イリヤの思惑に従って唾液を流し込む。
 先程の自分と一緒みたいに、乾きを癒すように唾液をこくこくと飲んでくれるイリヤ。けなげな、それでいてどことなくいやらしい行為に震えを感じ、強く身体を引き寄せてかっちりと抱き合ったまま、キスに没頭しつづけること十分。
「はあっ」
 唇を離してもなお、ちろちろと舌先だけでえっちな行為はやめない。苦しくなった訳でも何でもないが、イリヤの可愛い顔がじっと見たくて、少しだけ離れる。
「んー……シロウ、だいすきっ」
「ああ」
 おでこをこつんとくっつけて、じっとお互いの事を見つめたのは少しだけ。また唇を突き出すようにしてキスをしながら、やわやわと掬っていたお尻を揉み出した。
「ん、んふふふふ……」
 嬉しそうに、楽しそうにイリヤは俺の動きに合わせて小振りなお尻を揺らす。されるだけじゃ許さないよ、とばかりに腰が俺の股間に擦りつけられて、生地越しに性器を愛撫された。
 ひどくむず痒く、これだけであわよくば射精してしまいたい気持ちよさ。唇を重ね、互いを揺らしっこしながら冷たい水の中で愛を交わす。
「シロウ、今度こそ大丈夫そう」
 じわっと脳が痺れだした頃、唇を離したイリヤが本当に嬉しそうににっこりと笑う。この笑顔が見たくて、神様が俺に助言をくれたんだと分かってしまった。
「ああ、冷たい水のお陰で元気」
「んふっ、嬉しい」
 ちゅっ、と小さくキスをすると、イリヤは絡めていた腕をひとつ、俺の海パンへ伸ばした。
「脱がして、いい?」
「ああ」
 張りつめたペニスが布地を押し上げて、あわよくば自分で脱がしたかった所をイリヤが脱がしてくれる。腰をちょっと上げて協力すると、器用にするりと腰から膝へと脱がしてくれて、俺は足をバタバタさせながら残りは押しやると、足首から海パンが抜けた。
「ん、シロウのあったかい……」
 そこで自由になったペニスの幹をやわやわと握り、俺の成長具合を確かめるイリヤ。
「さっきあそこでしちゃってたら、暑くて途中でやめちゃってたかもね」
 夏の暑さに負けてフェラも止まる高性能。そんなことを思いつつイリヤが幹を十分に扱いてくれるのを感じながら同意。
「ん……かもなぁ」
「ふふふ……冷たい水さんに感謝だね」
「ああ、感謝感謝」
 ふたりで小さく笑い、それからイリヤは改めて手のひらを亀頭に擦りつけた。
「ん〜、どうしようかな……」
 イリヤは小さく首をひねりながら、これをどうしようかと思案中である。ここはイリヤの出方に任せて、言われるままにお手伝いをしようと考えた俺は何も言わない。
「よーし」
 と、どうやら決めたらしいイリヤが幹を握りながらちょっと離れる。
「?」
 俺が何をするんだろうと思っていると、イリヤは水の上から中にあるそれを見下ろして、それからぷはっと一杯に空気を吸った。
「ん……!?」
 と、ザブンという勢いある音と共にイリヤの姿が目の前から消え、下を見ればイリヤがちょっと狭そうに浴槽に潜っていたのだ。
 潜った瞬間に力を込めたのかキュッと強く握られたペニスが痛かったが関係ない。ちょっと意外な行動に驚きつつも、ブクブクと目の前で水面からイリヤの吐き出した息が泡を作るのを眺めていたら、
「お……」
 ぱくっ。
 少し温くなってきた水の感触に代わって、亀頭が確実にあったかい感触に包まれた。
 イリヤが俺の股間に顔を寄せ、水中でくわえてくれている。全体に一度挨拶をした後、顔をずらして横向きに笛を撫でるみたいに唇で愛撫。それから舌を使って軽く先端や傘の部分をノック。
 もう一度口に含んでくれると、わざとらしく息を吐き出して気泡まで使ったくすぐったい責め。
「おお、おお……」
 ひとり喜んでされるがままにしていたら、流石に息が続かなくなったかぷはっとイリヤが水から身体を起こした。
「ん〜、思ったより息って続かないね……」
 困ったようにするイリヤの顔は何だかかわいい。髪留めが外れたのか銀髪は普段の形に戻って、それが水に濡れてちょっといい感じで綺麗。
「そりゃそうだ」
 前髪がおでこにぴったりと張り付いたのを手で整えてあげながら、
「でも、無理しなくていいよ?」
 そうやって努力してくれたことを一杯に褒めてあげた。
「う〜ん……シロウ、ここから空気出せない?」
「どこの曲芸師だ、そりゃ」
 イリヤの無茶なお願いは殊更おかしくてはははと笑ってしまうと、イリヤはそれでも水中で続きをしたい模様。
「ほら、苦しかったらいけないし、俺も協力してあげるから」
「う〜ん」
 と、ちょっと本気で水中モードになりそうだったイリヤをなだめ、俺は腰をぴこっと上げた。足の裏を浴槽の底にしっかりつけて滑らない事を確認しつつ、上体を反らすようにして水面近くまで起こす。するとちょうど潜望鏡が顔を出すみたいに亀頭がイリヤの目の前に顔を出していた……って、こういうのをまさに『潜望鏡』って言うんだっけ。
「?……あはははは。すごいすごいシロウ」
 と、どうやらイリヤはそれが気に入ったようで、水面をウロウロする亀頭に顔を近付けると、公園にある上向きの水飲み場から直接飲むみたいな感じでキスをしてくれた。
「ん……」
 腰のバランスがなかなかに大変で、ちょっと気持ちいいとぴくっと跳ねてしまう。
「ふふふ……」
 一回目は驚いて口を離したイリヤだったが、次からはタイミングをちゃんと掴んだらしく、ぴこっと跳ねる度に上手く位置を調整して舐めてくれる。
「はむ……」
 顔にかかりそうになる髪を手で掬いながら、嬉しそうにペロペロ舐め、そして亀頭を唇で甘噛みする様子なんか、とにかくかかわいい。ああそうだ、イリヤくらいだったらまだ公園でこうやって水飲んでも……なんて思うが、それ以上考えると本当にそんな姿を見ただけでサカりそうだから妄想に留めておくことにした。
 しかし、水面から顔を出し、そしてまた沈んでいく亀頭の滑稽さと言ったら。やってることはなかなかにすんごい事なのに、行為とのギャップたらありゃしない。
 まあだけど、当事者はそんな事ちっとも思っていない訳で、
「あ、出てきた出てきた」
 と、ちょっと頑張って水面出し記録を更新していると、先端から白い先走りが滲んだらしく、イリヤが嬉しそうにそれをツンツンと舌先で突いて味わっていた。
「ふふ、シロウのえっちなの」
 喜んでペロリとするスクール水着を着た幼い顔はとっても犯罪だー、なんて思いつつも……しかし、しばらくそうやってイリヤと潜望鏡ごっこをしていると疲れてきた。腰の負担は結構で、段々水面に先端が浮かぶ時間が短くなる。
「う〜ん……」
「?」
 確かにそれに従いイリヤが水の中まで追ってきてくれるけど、それじゃさっきのに逆戻りな訳で。
「イリヤさん、結構この格好大変みたいです」
 しゃぶってもらいたいから頑張りたい気持ちはあるんだけど、なんか変な所が攣りそうだから、どうしようと答えの出ない投げかけ。
「? じゃあ、後ろに腰掛ければいいのに」
「あ」
 が、きょとんとした様子なイリヤさんのご提案に、ようやくそんな解法に気付いたバカ一人。
「そうだったなぁ」
 なんて一人納得しつつ、俺は腰を引くと浴槽に背を付けつつずり上がり縁に腰掛けていた。ああなんて楽なんだ、と考えればトンデモなくバカな事をしたもんだと思っていると、そこへ膝立ちで近づいてくるイリヤ。
「シロウってやっぱり頭いいのか悪いのか分からないよ」
「ははは……」
 ぽりぽりと頭を掻く俺に対して、イリヤはご機嫌に笑いながら改めてペニスに手を添え。
「では、改めてご奉仕いたしますね……?」
 などとわざとらしく告げながら、あーんと口を開けて大きく俺全体を含んでくれた。
「いいよイリヤ……綺麗な髪」
 水面で丁度広がっている髪は何か新しい芸術だなあと思いつつ、ちょっと積極性が増した愛撫はとってもいい。つやつやの頭をナデナデすると、更に舌の動きがよくなった。
「ヒロウ、ひもちいい?」
「もちろん」
 ちゅぷ、ちゅぷ……と、すぐにイリヤの唾液と先走りが絡んでぬめった音がし始める。こうなればイリヤはテクニシャンで、すぐ俺の感じる所を的確に舌で突いてきた。くびれのエラが張った部分、裏筋、鈴口の割れた所と、リズミカルに俺を愛撫して口内に先走りを溢れさせる。それをこくっと飲んでから口を離し『満足ですか?』と言いたげな表情で上目遣いに見上げてくるイリヤといったらもう。
「ん……結構ヤバめ……」
「ふん……?」
 こみあげるものは萌えとかそういう感情プラス射精感。
 なんだかんだ言ってずっとイリヤに口でして貰っていたからだろう、とりあえず一度出してしまいたい思いが出てきた。
「ひひよ。ふひのはかでだひて……」
 亀頭がじんっと膨らんだのを感じたらしく、そこで口にペニスを銜えたまま俺を見て喋るイリヤ。『いいよ、口の中で出して』と言ったのだろうけど、口にモノ入れたまま喋っちゃいけません、それに大きく口を開けていたら『学級文庫』も……なんて考えてる暇はあまりなかったらしい。
 ちゅうっ! とイリヤがわざとらしく亀頭を集中的に責め、その先端を強く吸い上げられた時、ムズムズッとした感触が陰嚢から一気に駆け上がった。
「ん……飲んで、イリヤ……」
 びゅくっ、びゅくっ、と亀頭が収縮を繰り返して精液を吐き出す。
「ん……」
 イリヤは俺の股間に顔を寄せたまま、それに合わせて大きくストローク。一番奥に来た時に射精するようにタイミングを合わせてくれているらしく、全体を締め付けるような吸引に合わせてビュッ、ビュッと複数回に分けた射精を全部受け入れてくれた。
「ん……」
 コク、コクッ……とペニスを含んだままのイリヤが口内で響かせた精液を嚥下する音に、ああ飲んでくれている、と思うとなんとも感動してしまう。射精が終わりかけても、イリヤは奥に残った精液をちゅちゅっと吸い出して一滴残らず飲んでくれる。いや実は『もっと出して〜』という意思表示かも知れないけど、どうにも量だけは俺にも分からないから勘弁ね、イリヤさん。
「ん……」
 最後、わざとらしく亀頭の先端に一滴だけ精液を残し、それと自分の舌先を繋げながらツツーッ、と糸を引かせるイリヤ。いつも口でしてくれた後はそれが楽しみらしく、そしてこっちもかなり痺れるモノがある。粘っこいそれが最後、舌に絡め取られて消えていくまで見つめ終わると、イリヤと目が合った。
「ふふふ……ごちそうさまでした、シロウ?」
 美味しそうに、いや実際美味しいと言っていたけど、イリヤはにっこりと笑って最初の射精を終えた俺にご挨拶。
「ああ、おそまつさまでした」
「ふふふ……全然お粗末じゃないのに」
 そうやって言葉を交わしていると、なかなかに元気な奴が相変わらずぴっこりと自己主張。
「お……」
 さっきまでのだるさはどこに行ったんだ、と突っ込みたくなる我が愚息の正直さ加減にあきれながらも、そりゃ目の前にいるのはイリヤだし……という、理由にもならないことを思ってイリヤをその場に立たせた。
「今度は、俺がしてあげる、イリヤ」
「うん」
 と、労をねぎらいつつ感謝のお返しと言うことで、次は俺の番だ。
「ん〜」
 と、そこで改めてイリヤの白いスク水を見ると、小さく張り出したポッチ。
 多分透けてはいないんだろうけど、その奥にある存在を俺自信が強く投影『トレース』しているからか、微妙にピンク色に透けているように見える。
「いいなあ……」
「?」
 そんな素晴らしすぎる光景にひとりごちつつイリヤを抱き寄せると、座っている俺に対して丁度目の前にイリヤのポッチ。だから真っ先にそこへはみ……と唇を寄せて、水着の上から摘んだ。
「ふふふっ……くすぐったいよぉ」
「だってそうしてるじゃないか」
「そうだけど、擦れて変な感じ」
 じゃれあいつつ、舌先で突いたりもしながらポッチへ重点的な愛撫。イリヤも俺の頭を優しく抱いてくれて、好きなように胸を差し出してくれる。
「ん〜、じゃ、脱がすか」
 と、俺はイリヤの肩口に手をかけると、スルスルと水着を胸が見える所までまで下ろして止めた。
「おお……」
 思わず感嘆の溜息が漏れる。
 スクール水着から露わになるぺたんこな胸。
 膨らみもほとんど無く、小さなピンクのチェリーだけが反則なまでに鎮座していらっしゃるその光景。元々のお釣りが更に三倍になった勢いだ。
 と、そこでまじまじと姿を見つめる俺にくすくすと笑うイリヤ。
「シロウって、ちっちゃい胸が本当好きだねえ」
「む」
 それはからかい半分なのだろうが、ちゃんと訂正してやらなきゃならない。
「違うぞ。イリヤの胸だから好きなんだ」
 自信満々にそう宣言する。
 別に小さければいいってもんじゃない。世の中にはそう言う人種もいるだろうが、俺だけは別だ。
 という自己欺瞞であるが。
「ふふふ……そう言うことにしてあげる」
 と、明らかに俺の発言を最初から分かっていたイリヤがキス。
 ちゅ、ちゅと啄む程度にして、イリヤはすぐに自分の水着に手をかける。さっき途中で止めたのが、そこからは協力を要するからだろうと考えたに違いない。
 するすると降りていく水着に従って、まず見えるはイリヤのお腹からおへそ。見る人が見れば健康的止まりなそれはしかし、俺にとっては立派な女の子の身体。
 そして……腰を通り過ぎた手が更に腿まで下がると、まだ産毛すら生えてない秘部。俺を受け入れるようになってもまだ筋一本なそこはしかし、柔らかい、実際触るとプニプニしているイリヤの感じる所。
「んふふ……全部脱いじゃうよ〜?」
 どうやらイリヤもストリップをしている気分になったのだろう。軽く上半身を倒してこちらを妖しく見つめると、太股にかかった水着をいよいよ脱ぎ去ろうとする。
「待った」
「?」
 が、そこで俺はそれを止めると僅かに逡巡。
 頭の中で色々考え……
「……」
 おもむろにイリヤの腿でくしゃっとなっていたそれに手を伸ばすと、無言で俺が最初に剥いた所まで着せていた。
「なに? 自分でやりたいの?」
「いや」
 イリヤの『それもいいかも』という顔を否定するように答え、しばし元に戻ったイリヤの姿を改めて確認。
「……多分こっちの方が燃える」
 で、確信を得た俺はきっぱりと告げていた。
「……マニアックね……でも、さすがはわたしのシロウよ」
 流石にちょっと呆れた様子だったが、何かを悟ったようなイリヤが思わず納得してしまう俺のフェチっぷりもどうか。
 いやしかし、全部脱いだらそれはただのエッチなわけで、ここでこうスクール水着を脱がしかけ……というのがポイントなのだ。
 自己弁護のスーパーイリュージョン。
「ということで……」
 何かを飲み込んだ俺は、そこで改めてイリヤの胸に向かうと、露わになった小さなチェリーを優しく唇で包み込んだ。
「んふふふ……っ、シロウってやっぱりおっぱい好き」
 イリヤから母乳が出ないかな……なんて思いながらちうちうと吸い続けると、くすくすと笑って俺の顔を上を向かせるイリヤ。最後にぷるっと弾けた先端が震える位可愛かったけど、それを見続けたい俺を遮ったのは可愛い唇。
「で〜も、こっちもしなきゃダメだから」
 と、散々しても永遠に飽き足らないキスを繰り返す。
「ん……」
 キスをして舌をしばらく絡めて許されたら、今度は反対の先端へ。
「は、んっ……やっぱりシロウの舌、気持ちいい……」
 ちろちろと舐め、歯を立てて、ぷくりと周縁からせり出すように膨らんできたそこをまたしばらく。
「シロウ」
 そして今度はイリヤが俺を呼び止めて上を向かせる。
「飲みなさい」
 と、見下ろした事で得られた感情からマゾっぽい瞳を向けたイリヤが、その唇から唾液を垂らしてくる。たらっ……としたたり落ちた泡立つそれを、俺は口を開けて施しを受けた従者みたいに受け止め、飲み込む。
 コクン……
 静かに飲み込んだ俺はイリヤを請うように見上げて、雰囲気にマッチした弱々しい瞳。
「ああ、すごいよぉ……」
 と、そんなプレイにイリヤは頬を染めながら嬉しそうに震え、たまらなく可愛い表情を見せてくれた。顔は真っ赤だし、露出している肌はうっすらとピンクに染まりつつあり。
 もじもじと内股を合わせる仕草で、イリヤのしたいことが手に取るように分かった。
「……ねえシロウ、そろそろこっちも触って?」
「ああ」
 と、イリヤが俺の手を導き、その場所へ近付ける。
「んっ……ひゃっ」
 ショーツならクロッチと言うべき股布をずらし、イリヤの秘部に指を進入させた。
 外側の水に触れた冷たさは、一瞬でイリヤの体温に包まれて熱を帯びる。逆に言うと俺の指が冷たいからイリヤは今驚いたんだろうな。
「冷たい? まだサラサラしてる?」
 そして俺がくにくにと中で指を動かすと、気持ちよさそうに聞いてきた。
「いや」
 そんなことはなかった。
 とろけるような膣内の熱さと、指に絡むような愛液。イリヤの女の子の部分は先程までの夏の暑さをまだ残しているかのような、今となっては心地よい熱。
「イリヤの中、すっごくあったかいし、ぬるぬるしてるよ。気持ちいい」
「うふふ……よかったぁ」
 冷えて愛撫に反応しきれていないと思っていたのだろうか、イリヤのほっとした表情。しかしそんな考えとは違って、イリヤはしっかりと俺の愛撫に感じてくれていて、受け入れてくれる準備を整えているのだから女体の神秘だ。
「はあっ……」
 ちゅくちゅくと音を奏でる秘部を二本の指で弄ると、プルプルと感じて震えるイリヤの腿が水面に波紋を広げる。その幾何学模様に魅せられつつも、更に俺はイリヤを感じさせようと再び胸へと顔を寄せ、唇で片方を摘みつつも空いた手で反対も同時に責めた。
「ふああああっ、気持ちいい……気持ちいいよお、シロウ……」
 目の前でふるふると胸を震わせ、半脱ぎの格好でまだ女性としては未発達な胸と股間を男に弄られるイリヤ。
 それを感じると、なんかこっちがたまらなくなってきてしまい、思わず懇願してしまった。
「イリヤ、もう入れてもいい……?」
「……うん。シロウが入れたかったら、いつでも入れて」
 見上げると、先程とはうってかわって従順にこくっと頷くイリヤ。
 それがまた可愛らしくてエッチで、俺は無言で頷き返すとイリヤを自分の腰の上に乗せた。
「あ……っ」
 いきり立ったペニスを改めてあてがわれ、イリヤが甘い声をあげる。
「いくよ……」
「うん……は、はあああっ」
 と、布が邪魔しないように手で抑えながら、俺は位置を合わせてゆっくりとイリヤの身体を下ろしていった。
「あ……シロウが入ってきてる……」
 熱を発し続けていたペニスが、同じく熱をもった膣内に埋まっていく感覚。
「ああ」
「んっ……奥、当たってるよぉ」
 こつん、と子宮口に亀頭が当たると、イリヤが嬉しそうに感じて俺を見つめた。
「ふうんっ……」
 キスを交わし、結合の悦びを改めて伝え合い、それから動き始めた。
「はあっ、あ! あ! ああんっ!」
 今までの流れからはちょっと趣向を変えたストローク。突き上げは難しいも、しかし深く挿入しては抜く動作を的確に繰り返すと、ぱちゅんぱちゅんと水が絡みあったような粘音が結合部から溢れた。
「す、ごいっ……! シロウ、もっと激しくして……っ!」
 どうやらイリヤも俺のペースに強い快感を覚えたらしい。
「よ、しっ……!」
「はあああっ! あ、あ、あ、あ……ああっ!」
 気合い一閃、改めてイリヤの腰をすくって引き寄せると、ぐっとそれで狭まった膣を激しく突いた。俺自身の腰はあまり縦には動かせないけど、軽いイリヤの身体を支えて上下させれば、それは激しく膣を突くことになる。それに左右の動きはむしろ楽なので、円運動を加えつつも、イリヤがいつも感じる奥の上側を重点的に擦り上げるような動きをすれば、普段以上の快感。
「あああっ! シロウ! シロウっ!!」
 ぎゅっとしがみついたイリヤの髪が顔にかかり、心地よい香りを振りまいて俺を誘惑する。背中に回された力の強さからも、イリヤが一杯感じてくれていることを理解し、俺は先程してくれた感謝を込めて、イリヤを一気にイかせようと動いた。
「あ! だめっ! だめーっ……!!」
 何がダメなのか、イリヤはガクガクと身体を震わせて上体をしならせる。美しく広がった髪と、小さな胸を俺の瞳一杯に晒し、イリヤは一度目の絶頂を迎えた。
 ぎゅう……っ、とただでさえきつい膣内が襞をうねらせて激しく収縮。俺にも射精を求める動きに、しかし一度出していた俺は敢えて耐える。
「ふ……ああああああっ」
 ピクン、ピクンと小刻みに痙攣するイリヤ。いつの間にか腰に絡められた腿が同じリズムで俺を刺激する中、まだ意識が真っ白になっているだろうイリヤの胸にキスをする。
「ふぁ……ダメ、また飛んじゃう……っ」
 軽く舌で舐め上げるだけで耐えられないといった声を漏らすイリヤ。
 ふと、そんなイリヤの甘い肌の刺激に、ちょっとだけ今となっては新鮮な刺激。汗だ。
「イリヤ、暑い?」
 俺はイリヤの胸の周縁をなぞりながら、弾く様なきめ細やかさを持つ肌を舌でなぞり、水と汗の混じった液体を甘美な蜜として舐め続ける。
「ふぅっ……分からないよぉ、シロウのが中で熱くて、体中が火照ってるからぁ……」
 そんな中、イリヤの声はまだ遠くにいるようで、しかし俺の存在をしっかりと感じてくれている様子。
「うん……じゃあとりあえず」
 と、そこで俺はイリヤを抱いたまま腰を浮かす。
「……っ!」
 瞬間、駅弁スタイルとなったからか、一際最奥を突かれたイリヤがピクッ! と反応する。それを見ると正直このまま立ったままで……とも思うが、ここは本来の目的を優先することとして、ゆっくりと浴槽に浸かり直した。
「ふあ……なんだか、浮いてるみたい……っ」
 イリヤがそこで身体に訪れた冷たさと同時に、不思議な感覚を得た様子。
「確かに、そうかも……」
 イリヤの場合はもしかすると絶頂の余韻のまま『浮いている』という意味もあるかも知れないが、確かに水中で繋がっていると、なんだかフワフワとした感じが新鮮に心地よい。
「イリヤ、じゃあもっと気持ちよくなろう?」
「うんっ、シロウ……今度は一緒だよ。……はあああっ」
 そして互いを確認し合うキスを交わすと、再び結合を深め、グラインドを開始する。
 今度はイリヤの身体を持ち上げても浮力で激しい挿入は出来ないみたいだから、深さ重点で責める。
「はあああっ……シロウが一番奥まで来てるの、凄い感じる……」
 こつん、こつんと何度も子宮口を責めるように当て、更にそのままフルフルフル……と揺らすと、イリヤの襞がキュウッと一段と強く俺を締め付けてきた。
「凄い……こんなの……初めてだよっ……!」
「ああ……」
 今まで布団の上でしかしていなかった事が信じられない位に、水の中でのセックスは心地よかった。パシャパシャと揺れる水面に合わせ、互いの腰を擦りつけながら快感に酔いしれる。ザバ、ザバ……とひと揺れごとに溢れていく水の涼しげな音と裏腹に、二人の結合部だけが別の熱を持った存在として水を温めようとしているみたいだった。
 俺達は情熱的なキスを交わし、額や首筋についた互いの汗を舐め取って揺れる。そして俺が甘く髪を口に含んだ時、
「シロウ……わたし、もうっ……!」
 イリヤは再び訪れ始めた絶頂に、膣内をキュッと締め付けていた。
「うん。俺も今度は……」
「シロウ……っ」
 そして、髪を噛んだのが実は絶頂の兆しだった俺も、一緒にいける悦びを噛み締めつつイリヤを見つめた。
 切なそうな、そして嬉しそうな、そして……少しだけ小悪魔が潜んだ瞳。
 そんな瞳の下にある小さな艶濡れた唇からは、魅惑の言葉が漏れる。
「わたしの中に、全部出して……お兄ちゃん」
「! イリヤ……っ!」
 それは本当の兄妹でもないのに敢えて口にする、そんな強烈すぎる一言。
 最近の二人の新たな刺激として、冗談半分で取り入れたはずのそれは、いつの間にかトンデモない麻薬となってイリヤを、そしてそれ以上に俺を快楽に導くものとなっていた。
「いくよ……っ!」
「うんっ、来て……来て! はあああっ!」
 イリヤがぎゅっと腰に脚を絡め、ぴったりとすり寄ってくる。そんな俺達の繋がった腰を前へとずらして、ここでようやく少しだけ突き上げられる体勢に。
 肩口までが水に全て浸かる位置まで行くと、そこから水中で出来る最大の速度でイリヤの膣を突き上げた。
「あああっ! シロウ、シロウっ!!」
 その激しさにしがみつき、いつの間にか呼び名を元に戻していたイリヤに気付く思考も忘れ、俺はひたすら腰からせり上がってきた何かをもっと押し上げようとする。
「っ……! シロウ、あ、ああっ!!」
 そして遂に、俺の胸に手を置いて顔を埋めていたイリヤが急にぴい……んと背中を反らした。同時に蠕動を繰り返していた膣内の襞が、一斉に俺の幹を、亀頭をぞわぞわぞわ……っ! と撫で上げる。
 そんなイリヤの誘いに、最後がっちりと腰を掴むと、
「……はああああああああああっ!」
 ビュクン、ビュクンッ!
 水面に身体を寝かせるようにしてイリヤが絶頂を感じる中、俺は大量の精液をその狭い胎内へ放っていた。
「ああっ……ああああ……っ」
 水の中で、一際熱い結合部とそれ以上に熱い俺の精液。自分の熱さがイリヤの膣へ注ぎ込まれる瞬間のたまらない心地よさは、今まで感じた以上に素晴らしいもので、頭が真っ白になった。
「はあっ……ああっ」
 ピクッ、ピクッと愛すべき少女の膣に全てを吐き出す快感。最後の一滴まで残さず全部絞り尽くして、呼吸が止まりそうな程に思いの丈を注ぎ込んだところで、ようやく意識が戻ってきた。
「はあっ……はあっ」
 小さく痙攣したままのイリヤを抱きしめ、ぎゅっとその愛しさに耳朶を甘噛みして余韻を味わう。
「ふぁ……あ……」
 俺よりもずっと遠い所まで行ってくれたらしいイリヤも、その愛撫にピクピクと反応を返してくれて、そして俺の呼吸がようやく収まる頃、まだぼうっとした瞳で見つめてくれていた。
「シロウ……」
「イリヤ……」
 互いの名前を呼び合うだけで愛しさが溢れる感じ。
「凄かったよぉ……」
 イリヤがこつんと胸に額を当てて恥ずかしそうにする。
「お風呂でするの、くせになっちゃいそう……」
「ああ」
 それは俺も同じで、これからは毎日でもこうしたいと思ってしまっている程だった。
「それに……水が冷たいと、膣にシロウがいるの、すごくよく分かる……」
 イリヤは手のひらで水を掬うと、指の間からこぼれ落ちるそれを見つめながら嬉しそうに呟く。
「なるほど」
「いっぱい、いっぱいシロウのせーしがわたしの膣で泳いでるよ……」
 膣内射精の意味とは微妙にかけ離れた無邪気な笑み。そんなイリヤともっともっとセックスに溺れたいと思ってしまう自分は……決して間違ってないはずだ。
「大好き、シロウ」
 新たな悦び方を覚えた俺達は、そして飽く事なきキスを再び。チロチロと気怠そうに舌だけでキスを続けていると、イリヤがキュッと新たに膣を反応させていた。
「ん、シロウ……」
「?」
 熱い瞳に見つめられ、一端解こうとした結合をしっかりと脚で防がれてしまう。
「だめ……今抜かれたら、膣で出された精液、水の中に逃げちゃうよ……」
 そうやって再び腰を擦りつけてきて、
「それに……さっき約束したでしょ……『いっぱいしてね』って……」
 そんなことを言われたら、ドクンと亀頭がまた膨らむのを感じて……
「だから、二度じゃダメ……この水が外より『七度』低い間は、最低でも『七度』はしてくれなきゃ、許さないから……」
 最後、イリヤの一部をはっきりと強調した言葉が、引き金となっていた。
「ああ、七度だったな……これだったら、十度のままでよかったんじゃないか?」
「……そうね。シロウは意固地なくせに、そう言う所で一貫性が足りないから……あんっ」

 

 

 大河と桜が衛宮邸に着く頃には、空の色も若干薄くなり、そろそろ赤く染まろうとする兆しが見えていた。
「先輩〜?」
 と、普段なら既に夕食の支度に取りかかってもいい頃合いなのに姿が見えぬ士郎を、桜は部屋で見つけていた。
「桜ちゃん、いた?」
「はい……ですが、ふふふ……」
「?」
 すっかりお腹を減らした大河が不機嫌そうに、しかし桜の指さす方を見ると、そこには気持ちよさそうに並んで眠る士郎とイリヤの姿。
「さっき物干しに水着がありましたから、きっとプールにでも行って疲れたんでしょうね」
「んもう。こっちは一日中部活だったのに、士郎もイリヤもいいご身分だこと」
 ぷんぷんと頬を膨らます大河を、まあまあとなだめる桜。
「いいじゃないですか。じゃあ、今夜は当番じゃないですけど、わたしが作ります」
「そうね……流石のわたしでも、この二人を叩き起こすのは悪い気がするわ」
 寄り添って眠る二人の顔は疲れたからだろう、本当に幸せそうだった。
「はい。二人は出来上がった頃に起こしてあげてくださいね」
「了解〜。桜ちゃん、待ってるわよ〜」

 

 

 

〜あとがき〜

 ……真冬にスク水かあ。
 ……でも、夏まで待てなかったし。
 ということで、変則お風呂プレイでした。

 タイトルはあれです、始めなんにも考えてませんでしたが、オールナイトニッポン(確かまだ当時は月曜二部だった)で
『水中でセックスしてる感じ?』
という名台詞(?)を残したT.M.Rの曲から。
この後西川君は『水中でセックスしたことあるんですか?』とリスナーに詰め寄られ色々大変だったとか。

 というわけで、ご感想などありましたらお待ちしております。








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